いつの間にか居着いてやがる。
嘆息するとふたりがこちらを向いた。
「お前マジで神出鬼没とゆーか…」
『にこっ』
「笑って誤魔化されるか!」
皆さんおはようございます。
朔那です。
気付いたら小太がいました。
てーい!と小太に軽くチョップ。
「大体ここにいるよな」
「?」
「この前だって」
政宗も小十郎様もいないとき。
暇だったから誰か遊んでーって呟いたら目の前に小太いんの。
にこにこしながら。
『つんつん』
「なに?」
『じゃーん』
「おお!?」
小太が持ってたのは
なんとクッキー!
『ぴらっ』
小太が渡してきた紙には南蛮せんべいと書かれていたが、これはクッキーだろ。
「クッキー!」
『にこにこ』
朔那に分けにきたって!
いっぱいある!
伝説の忍すごい!
「小太は食べないのか?」
『ふるふる』
あ
忍は甘いの食べちゃ駄目なんだっけ?
「食べても匂い消えるまでここにいればいいじゃん」
「……」
「ちょっと」
「…」
「ね?」
『……ぱく』
小太が食べた!
なにやら感激してる。
「おいしいだろ!」
『こく!』
「いっぱいあるから政宗に分けてあげよう!」
『こくこく!』
政宗のこと好きじゃなかった小太も、俺に付き合ってたら普通になったみたいだ。
小太に肩車されていざ!
「政宗ー」
「おぅ、入れ」
襖を開けると政宗が座っていた。
「どうし……Ah?」
「小太、挨拶」
『ぺこっ』
小太が頭を下げて俺を下ろす。
座って袋を出した。
「小太がくれたクッキー!」
「くっき?」
「南蛮せんべいー」
ほら、と一枚あげる。
なにやら疑ってる政宗。
「おいしいよ」
『こくこく』
「……」
少しだけかじった。
…。
「…旨いな」
「だろ!よかったな!」
『にこっ』
「…うちの忍は何してるんだ…」
はああと溜め息をつく政宗。
幸せ逃げちゃうぞ。
「次!小十郎様ー」
『こく』
肩車されて小十郎様を探す。
あ、いたいた。
いいところに!
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