「できた!」
「ん?」
完成したのは猫を象ったぬいぐるみ。
中には布切れをたくさん入れた。
「なにこれ!」
「可愛いでしょー」
佐助が猫を抱き上げた。
ふふ。お裁縫得意なんだ!
「朔那は本当に器用だね」
「すごいでしょー」
得意気に言うと佐助が猫を渡してきた。
もふもふの猫。
「猫、朔那ちゃんそっくりだ」
「朔那ジュニアか」
猫を見つめると佐助が首を傾げた。
「じゅにあ?」
「小さい朔那って意味」
そう答えると佐助はじゃあ、とにっこり笑う。
「猫はじゅにあだね」
「名前?」
「うん」
猫は名前をもらった。
くったりもふもふの猫。
「じゃあさ、朔那ちゃん。次はさ、」
「ん?」
「お団子作りにいこう」
「だんご!」
じゅにあ片手に佐助に負ぶさり、キッチンへ。
…キッチンじゃないけど。
佐助に言われた通りどんどん作ってこねて。
ねばねばなお団子生地はうまそうです。
佐助は器用だから料理もできるんだってー。
料理できる男はもてますよ。
もちろん俺ももてる男の部類ですよ?
元の時代ではモテモテだったんだから!
「できたー!」
「旦那が帰ったらみんなで食べようね」
「幸村早く来い!」
幸村を待つ間は縁側やら石の上にいた。
なんか久々にのんびりー。
「朔那ちゃん」
「んー?」
じゅにあと床に転がっていると、佐助が外を見て言った。
「旦那、帰ったよ」
「マジで!」
さすが休日でも忍ですね!
廊下に飛び出し、幸村めがけ走った。
幸村、幸村!
早くみんなで、食べよう!
「幸村!」
「朔那か!」
幸村に飛び付いてから、佐助が背後に立つ。
頭をがしがしされた。
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