Q.ここはどこですか。
A.海の上です。
「意味が分からない…」
皆さん聞いてください。
俺は体育が得意でした。
毎年毎年5をとれるのです。
しかしある期間だけ2でした。
水泳だよ、水泳。
そう俺は泳げない!
カナヅチの朔那ちゃんとは俺のことです。
なのになんで、なんで、
木の大きな船に孤独なんでしょうかぁぁああ!
「…ッ!」
波が立ち、水が触れる。
マジで勘弁してください。
顔に水がかかるのやだっ。
風呂は大好きだが水は勘弁してください!
ざっぱーん!
「ふにゃぁぁあぁあぁあ!!」
「…にゅ」
目が覚める。
お、あ、
「生きてる……」
頬を触れば、温かい。
「生きてたかァ?」
「みゅっ」
後ろから声が。
振り返ると、銀色。
「……」
身体をそちらに向けて後ずさる。
銀色、紫。
…毎度おなじみ皆さんさんはいっ。
「あんた誰っ」
すると男はにやりと笑った。
こいつ、どこか、似ている。
「長曾我部元親」
ちょう、
ちょうがそ、
……ん?
ちょうがそべ?
…………元親でいいや。
「お前は?」
「…」
いやいやいや。
やっぱり不審すぎるこの男。
だって露出度高いし。
乳首隠せ。
「おい」
「……」
「おい、猫」
まあ名前くらいなら…。
元親だって教えてくれたし。
「……朔那」
「朔那」
がっちり頭をつかまれた。
「子供が俺に何の用だ」
「…用なんて、ない」
「俺の縄張りにいただろう?」
知るか。
頭を振り払い、距離をとる。
しかし簡単に持ち上げられた。
「やめろ!俺は帰る!」
「どうやって?」
元親を突き放して扉に駆け寄る。
扉を開け放つと、
広大な、海。
「………!!!」
「俺は海賊だからな」
愕然とする俺に言い放つ元親。
もう、海なんて大嫌いだ。
「…う、」
人参残した罰ですか。
政宗、人参食べるから、許してください。
「……明日には陸につく」
元親が呟いたが、俺は広大な海を見つめるだけだった。
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