「YA!猫の相手なんざ随分優しいんだな伝説の忍」
「……」
本気でやり合ってんじゃねぇか!
えと、とりあえず、
「やめろ!」
政宗と小太に割って入る。
小太に背を向け手を広げる。
ギリギリで刀が落ちてこなかった。
「………朔那」
「小太郎は恩人だって言ったろ…」
しゃがんでいる小太にしがみつく。
「小太に怪我させたら政宗嫌いになるならな…!」
「…OK、朔那。今日は勘弁してやるぜ」
刀を鞘にしまい、小太にしがみつく俺を剥がした。
ひょいと身体を持ち上げられ、片手で俺を抱く。
「朔那がそう言うんだ。……Thank you.風魔」
「……」
小太は小さく頷いたあと、指先だけで俺を撫でて消えてしまった。
「小十郎、」
「はっ」
刀を小十郎様に預けて、歩き出す。
しがみついて落ちないようにする。
「小太郎また会えるかなあ」
「Ah?難しいだろ」
ですよねー。
「……」
「?」
目が覚めたら。
「小太郎!」
『にこ』
目の前に小太郎が!
「何故いるんだ伝説の忍…」
『つんつん』
なになに?
「俺に会いに来たんだって」
「Ah!?」
政宗様、そんなに嫌そうな顔するな。
『ぎゅっ』
「にゅっ、くすぐったい!」
小太に抱き締められました。
意外と甘えっこさんですね!
fin.1015
* * *
希望が多かった小太郎編です。
小太郎さんは気が付いたら猫くんを背負って徘徊してますよ
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