「……」
恐る恐る歩いてみる。
真っ暗だ。真っ暗。
「みぅ…」
勝手に城を出てごめんなさい。
許してください。
まだ死にたくない!
──ガサッ
「!!」
猪か?熊か?
もしや狼!?
狼なら死んだ!いや熊でも猪でも死ぬけど!
「ふ…っ」
現れたのは、
「───朔那……?」
完全武装した竜でした。
「死ぬー!!」
「朔那!」
ばっと走り出すも竜には敵わず。
腕をつかまれてしまった。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「Hey、小十郎!猫を見つけた!」
しっかり抱き込まれる。
涙が零れて止まらないです。
「政宗様っ」
ガサガサと現れたのはもうひとりの竜。
竜に囲まれてしまった。
「お前、どうして勝手に…」
「……ごめんなさい」
鼻水が止まんないので顔はぐしゃぐしゃです。
でも小十郎様が手拭いで拭いてくれた。
そのまま政宗の馬に乗せられました。
小十郎様以外にも人がいる。
朔那捜索隊、結構な人数なんですけど。
「……怒ってますか」
「少しはな。……but」
「みゅっ」
「無事で良かった」
むにっと頬に唇が落ちた。
かなり心配していたらしい。
それで、かなり必死に捜したらしい。
ちょっと抱きついたら微かに汗の匂いがした。
こんな涼しいのに汗かくくらい捜してくれて、
どうやら朔那はかなり愛されています。
「今度勝手に城を出たら容赦しねぇ」
「…はい…」
次の日。
「政宗!プレゼントー!」
「present?」
政宗が振り返ると同時に、部屋から持ってきた紅葉をぶわっとばらまいた。
部屋に散る、鮮やかな色。
政宗は目を丸くしている。
「政宗にプレゼント!」
「……随分綺麗なpresentだな」
紅葉をひとつ拾う。
ちゃんときれいなの選んで拾ってきたからな!
「政宗?」
紅葉を見つめてる政宗がその紅葉を俺の頭に乗せた。
「よく似合う」
「………むー……」
あんた、イケメンなこと自覚してください。
fin.0923
* * *
リウキ様よりネタ提供頂きましたu*
猫くん内緒で城下に行く!編でした。
他のネタも素敵でしたので、また機会があれば書きたいですw
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