「ふぇ〜…」
帰ったら早速女中さん洗われて(それはもうわしゃわしゃと)涼んでます。
泥だらけだったからね。
今日は頑張ったからお菓子もきっと美味しいよ!
「朔那」
小十郎様が現れました。
お盆持ってる。
「お菓子!」
「政宗様にお届けしたらな」
政宗今日は部屋に籠もってます。
執務なんだって、執務。
小十郎様に引かれて政宗様の部屋に向かう。
「政宗様、小十郎にございます」
「政宗ー、朔那ですー」
そう言うと、入れって声が聞こえて政宗が見えた。
「おつかれー」
なんかぐったりしてるな、嫌いなんだ。
その通りらしく、チッチッと舌を鳴らして俺を招く。
それに誘われて近付くと、ぐいっと腕を引かれて胡座の上に乗せられました。
それからぎゅうっとされた。
あれだよ。
動物の毛に顔を埋めてもふもふしてる要領だ。
もふもふするな。朔那アレルギーになれ。
「やだー」
「煩ぇ」
俺も机に向かうのは嫌いだ。
「あ、政宗おかしあるよ」
「どこにだ」
「こちらに」
熱いお茶とお菓子。
俺のお茶は温めです。
ちゃんと小十郎様がチェックしてくれました。
膝から抜け出てお菓子を頂きます。
途中政宗が横取りしかけたり食べさせろと寝言を言いましたが、全く知りません。
食べ終わるとまたチッチッと誘われて顎を撫でられた。
落ち着いていると身体が浮かんだ。
「では政宗様。小十郎はこれで失礼します」
「ああ。…………猫は置いていけ」
小十郎様に抱えられてた。
すっぽり収まる小十郎様クオリティ。
「いけません。気が散ります」
「いない方が散る」
「いけません」
「政宗ー、諦めてね」
そしてそのままさようならしました。
小十郎様に、執務が終わるまで相手をしないよう言われた。
おっけぃ!任せなさい!
終わったら朔那自慢の髪を撫でさせてやるからな!
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