「ごちそうさまでした」

朝食の時間を寝過ごしたため政宗の部屋に突進した。
この部屋にこればご飯もらえるからね。

ご飯を食べ終えてそそくさと部屋を出ようとすると。



「wait、朔那」
「う…」


呼び止められた。
振り向くとにやにやな政宗。


「人参が残ってるぜ」


人参。
そう人参!
嫌いなんです!
だってあれ明らかにおかしいよ、自然のものなのにあんなきれいなオレンジ。
絶対身体によくない。

これは小十郎様が作ったんだそうです。
あの人、野菜作り上手いんだって。
小十郎様の人参だそうです。

「い、いらない…」
「こっち来いcat」

政宗が箸で俺の人参をつまむ。

「政宗にあげる」
「お前が食えよ」

手を引っ張られ、座り込む。
政宗が人参を目の前にやった。

「みゅ…」
「一瞬だろ」
ほら、とやられるが…
無理です!

「やだ!猫にんじん食べないだろ!」
「お前は人間だろ」
「こういうときばっか!!」
「OK、無理矢理食わせるぞ」

ちょっと意地になってきた政宗が自分で人参をくわえて俺の両頬を引っ張る。
この人俺が風邪ひいてから何かと手を出してきます。やめてください。

「ごえんなひゃいぃ」

人参が近付いてくる。

やだ!


そしたら襖が開いて、小十郎様が出てきた。


「政宗様、何をなさってるんです…」


政宗が自分でむぐむぐと人参を食べました。
一先ずよかったです。
政宗に人参を託して離れる。


「小十郎様!畑いこ!畑!」
「後でな」

人参は嫌いだけどお手伝いは好きです。
なぜなら楽しいし、お菓子とお茶が貰えるからです。

ご飯の片付けをして、紐で着物の袖を括る。
裾は膝上にするため帯まで上げてくるんと縛りました。


「はやく!はやく!」

頭に手拭いを巻かんとする小十郎様の周りを跳ねていると、大人しくしねぇかと言われました。

現代じゃ汗をかくのは恥ずかしいことみたいなとこあるからさ、久々なんだ。

そして抱えられていざ畑!




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