「どうした、朔那」
「あれ…!」

布団を指差す。
左馬助が布団まで近付いた。

「これァ…」
「日本人形の首ですね…」
「なんでそんなのあるのさあ!」

涙が出てきた。
背中を支えてくれた小十郎様が溜め息を吐く。


「……政宗様」


小十郎様がそう言うと、反対の襖が開く。
その中に政宗が、腹を抱えて笑ってる政宗が出てきた。


「…ッ!政宗!」
「筆頭!!」
「sorry cat、そんなに怯えるとは思わなかったんだ。……ククッ」


そう言って笑う政宗。
左目に涙浮かんでませんか…?

「みぅ…」
「小十郎が朔那とこいつらが怪談をしてるって知らせてきたからな。つい」
「小十郎は朔那が休まないことをお伝えしただけです」
「ひどい…」
「だから悪かった」


まだ笑ってますけどね。
政宗の馬鹿!

「政宗とは当分一緒に寝ないししゃべんない!」
「HA、強請るのはお前のくせにな。我慢出来るか、朔那?」
「小十郎様がいるもん」

俺を抱いてる小十郎様にしっかりしがみつく。
小十郎様が政宗と喋ってるときだって、良直や左馬助たちもいるもん。


「Hmm…」
「…。お前らは休め」

小十郎様の一言で良直たちが部屋に戻る。
べーっだ。

「政宗様」
「OK OK、分かったよ朔那。本当に俺が悪かった。だから許せ」
「むー」



小十郎様にしがみついたまま睨む。
政宗は観念したように肩を下ろした。

「朔那、政宗様もこう仰っている」
「にゅ…」

小十郎様、さすが竜の右目。
甘いわ!


「…トイレに付いてきて。………あと一緒に寝てくれたら許してやる…」
「OK!勿論だcat、幾らでも付き合ってやるぜ」


政宗が当然のように小十郎様から俺を抱き上げる。
むー、俺も甘い。




fin,0901
* * *
17歳の猫くんは背も高くてお化けも怖くない好青年だったのですが、
幼児化したらちょっと甘え癖が出たようです。





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