「おだんごー」
「あいらしいですね」
「け、謙信様…」
謙信様優しい。
なんか綺麗だし、可愛いよね。
細いし。
「かすが、ちゃをいれてはくれませんか」
「は、はい。謙信様」
…。
あれか、かすがは謙信様に惚れてんだな。
うんうん、分かる。
謙信様、綺麗だもんな。
男のくせに!
………男、だよな…?あれ…?
「朔那、たんごはどうですか」
「美味しいです」
「よかった。ああ、くちがよごれています」
むにむにと拭われる。
かすが、かすが顔が怖い。
俺子供なんで勘弁!
「じきにかいからむかえがきますよ」
「みゅ?」
甲斐から?
本当に!
「っとー、ここにいたか」
「む!佐助!」
「あららすっかりご馳走になって…」
謙信様が差し出してくれたお茶を飲み干してどたばたと縁側にでる。
「佐助!」
「本当に、すぐいなくなるんだから。朔那に忍でもつけるかな」
すっと抱き上げられる。
オレンジ頭!
「じゃあ、預かってくれてありがとう」
「ふん、保護者ならちゃんと見ておけ」
かすがはつんとそっぽを向いてしまった。
謙信様以外にはツンツンしてるなー。
よじよじと佐助の背中に登る。
これくらいなら出来るようになったんだぜ。
「またねー、謙信様、かすが!」
「ふふ、またあいましょうさくな」
「もう迷うなよ」
びゅーんとお空です。
ヤッホー。
「佐助の名前叫んだら、かすがが助けてくれたんだ」
「俺様の?……ふぅん」
「かすがは佐助のともだち?」
そうきくと佐助はんーと唸った後、
「ていうか許嫁?」
と言った。
いいなずけ?
「さ、さすけお前、かすがとそうゆう仲だったのか!」
「そうそう。あいつ恥ずかしがり屋さんだから普段はツンツンしてるけどー」
「くっ…」
かすが、お気の毒に!
「…ちょっとちょっと、今失礼なこと考えなかった?」
「かすが可哀想…」
「なんで!」
「だってさすけ軽いし…」
「あのねぇ…」
絶対佐助より俺の方がいい男だからな!
佐助との婚約なんて駄目だ!
「かすがは俺が幸せにする!」
「ちょっと、駄目だよ。おませさんだねー朔那ちゃんは」
つーんだ。
中身は健全な高校生だっての!
またかすがに抱っこされたいなあ…。
fin.0831
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