さあさあ、わたくしがお出しするクイズにお答え頂けるかな?

ああ、申し送れた。わたくし、姓は春宮、名は朔那。高校2年生の健全な男子であります。

いや、誠に健全な男子で“あった”。


「某は真田源二郎幸村。そなた、名はなんと申す?」



あああああんた誰!
いや名乗ってたけど、


あんた誰!


「───で、旦那。それは?」
「朔那」
「名前は聞いてない!」

目の前で広がるのはよくわからん光景だった。
俺は真田幸村(日本史で習ったぞ)の膝に乗せられていた。



「先ほど山で拾ったでござるよ」



目の前のオレンジ迷彩が長い長い溜め息と共に崩れた。

「あのねぇ旦那、そんな子供でも危ないんだよ?」


子供。
そう、子供。
まさかあるまじきトリップをした挙げ句、高校2年生、17歳の俺はなんと7歳くらいの少年になっていた。


「大丈夫でござる。なあ、朔那」
「……」

そう言って頭を撫でる真田幸村。
いやいや何を根拠に大丈夫なのか答えてください。
確かに人畜無害だけどね!


「……」
「ほら、佐助が睨むから朔那が怯える」


ぐっと胸に押さえつけられる。
固い。


「……ゆきむら」
「おぉ、落ち着いたか?」
「はぁ…」

俺は何やら真っ赤な服をきせられていた。
多分これでくるまれたのだ。



「ゆきむら…」
「どうした?」

お人好し幸村をちょっと使うか。



「こわい…」


佐助と呼ばれたその人を見ながら言えば幸村はまた頭を撫でてきた。

「よしよし、大丈夫でござる。今度減給しておくからな」
「酷い!」

しめしめ、減給だとよ。オレンジ君。






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