「まだ小さいもんねぇ」
「小さくない!」

17だ!説明面倒だから言わないけど!
拗ねたように顔を背けたら笑われた。


「もー俺様が添い寝してあげるのにー」
「できないだろ!」
「ちょっと…っていうか警戒してれば朔那寝かしつけてても」
「殺気と一緒にねたくない…」

嫌でしょ、普通。
殺気の塊と寝るの。


「……朔那ちゃん?」


俯くと佐助が顔を覗く。

「あの、ちょっとだけ」
「ん?」


「ちょっとだけ横に寝て、背中たたいて」


つまり完璧寝かしつけるあれだ。
すると佐助ははいはいと、頭を腕で支え俺の横に寝た。

「忍者なのになんかごめんなさい…」
「そう思うなら早く寝てよー」

ぽんぽんと規則正しく背を叩かれ、やがて眠くなってきた。

意識が、どろりと落ちた。

「今日の団子はまた格別旨い」
「おいしいね、ゆき!」
「ああ!朔那と食べるのは格別な!」
「ちょっと朔那ちゃん、口の周りべたべただから…って旦那も…!あんたは幾つなの!」

最近気付いたことがある。

「あ、朔那ちゃん帯おかしい!」
「……かあさん」
「え?」


そう。
佐助はお母さんみたいなんだ。
母さんと…言うより


「オカン」
「朔那は佐助の子だったか?……なら娶る際には佐助に挨拶をするのか」
「いや違うよ旦那。って今なんと…」
「朔那は某が守る故、安心されよ」
「……」

勘違いする幸村から逃れた佐助が何かを取り出した。
紙だ。


「忘れるとこだった。竜の旦那から文」
「なに?政宗殿からだと」

表を見ると、なにやらあの学校の先生みたいな字が…。

「きれいな字ー」
「いや綺麗というより」
「これは…」


「殴り書き…」


「…」

学校の先生みたいな字は殴り書きだそうな。
確かに解読不明。

「なんて書いてあるの?」
「“甲斐の犬と猿へ”」

佐助がそういうと、幸村は首を傾げた。




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