もう名前とかどうでもいいよね。
一応名乗るか。
朔那です!元高校2年生です!
見知らぬ森からこんにちは!
「Ah─?」
あんた誰!
「おいそこのお前」
「…!」
きょろきょろするが誰もいない。
指で自分を差せば隻眼は頷いた。
「お前だよ、お前」
「…は、い…」
なにこの片目。ちょうこわい。
みないで!近いし、みないで!
「What's your name?」
「ねーむ?」
「名乗れってことだ」
いやわかるけど。
なんなのその微妙な英語。
「…朔那…」
「朔那?」
「ん、」
「OK、朔那。お前はどこから来た」
知らんがな。
気付いたらここにいた…あ、
「ゆ、」
「ゆ?」
「幸村、」
そうだ、俺、幸村の背中に乗ってた!
幸村!
この世界の俺の唯一の心癒せる場所は幸村だ!
「ゆきむら!」
「Really?」
「うん」
「甲斐の子供か」
隻眼は顎に手をあて俺をみた。
いや、あんたイケメンだな。
あとさ、あとさ、
「お兄さんも、」
「Ah?」
「ねーむ」
名乗れよな!俺は名乗ったんだからな!
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