「にゃー…」

朔那の受難その2です。



「ゆきぃい」
「む。起きたのか朔那」

目がぱっちりな幸村。
俺は寝ぼけ眼です。


「おれ、変だよね」
「何!朔那は変ではない!」
「いやっ、変だよっ」
「朔那…!」


「だって猫耳生えちゃったんだよ!」




そうです、俺には
またまた猫耳と尻尾が生えたのでした。



「違和感ないから気付かなかったなあ」
「おかしいだろっ。忍者のくせにっ」
「あはは」
「これは本物なのか?」

幸村が興味津々だ。
お前にも立派な尻尾が生えてるんだぞ。
犬みたいな。


「猫に似てると思ってたけど、朔那ちゃんは本物だったんだね」
「んなわけない!」

その言葉をぺいっと押し返す。
みんな俺を猫だと思ってんのか!

>「朔那は不思議だなあ」

佐助が耳を引っ張ってくる。
むう。


「くすぐったいよぉ」

幸村の膝上で佐助の手を避ける。
猫なんて珍しくないだろ。


「みゃあっ」
「怒らないでよ、朔那ちゃん」

佐助は楽しそうだ。
幸村の上だから逃げるに逃げられない。

「朔那、これは是非とも御館様に見せたく候」
「親方様に?」
「うぬ。猫と言えば虎の血縁なのだろう。佐助から聞いた」

うぬぬ。
幸村の真っ直ぐな瞳が俺を見た。
そんなに見せたいかなあ。


「幸村がそこまで言うなら…」
「承知!では早速!」

俺を肩に抱えて走る幸村。
廊下は走っちゃ駄目なんだぞ!



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