「これで行けるね!」
「いいだろ小十郎ー」
「いいだろー」

政宗の背から身を乗り出して復唱する。
小十郎様は溜め息をついた。


「仕方ありませぬな…」

伝説の忍がいるなら…と。
小太何気に信用されまくりだな!

「勿論うちの忍もつけます」
「OK OK」





城下は賑わっていて、政宗が通れば女子が息を潜める。
俺は政宗に手を引かれ歩く。


出店があればそれを覗き込む。

「むを!政宗これ」
「へぇ、見事な細工だな」

店主は憧れの眼差しで政宗を見つめながら細工の説明をした。
派手好きな政宗はかなり楽しそうにその話を聞いている。
俺も背伸びをして色々見ていると、店内から女の子が出てきた。

中身の俺より年下で、外見の俺より年上の。

「あら、猫の子」
「む」

女の子は微笑むと俺の頭を撫でた。
店主がそれをみて女の子を引っ張る。

「こら、殿の前で」
「Ah 気にするな。お嬢ちゃん、顎を撫でてやりな」

細工を幾つか見比べたまま、政宗がそう言った。
女の子は店主から逃れて俺の前に立ち、顎を触ってきた。

「ぬぬ…」
「まあ、本当に猫だわ」
「朔那…にゅ、」

目を細めると女の子は頬を撫でてきた。
そして袖から何かを取り出し、俺の手に押し付けた。

「よし、これにするか。…cat」
「む?」
「こっち来い」

政宗に近付くと、頭に何か付けられた。

「なに?」
「櫛だ。こっちの簪もいいがお前はそこまで髪は長くないから」

朝これで髪を解かせばいい。
政宗は袖口から巾着を出した。

「いえ、お代は」
「いいんだ。今は朔那とdateだからよ」

presentは買わねえと。
そう言った政宗はやっぱりイケメンでした。


また手を引かれ歩く。もう片手には。

「煮干し」
「あの娘がくれたのか」

女の子は俺に煮干しをくれた。
それを口に含む。

「にがー!」
「猫用になってんだな。あそこの茶屋で休もうぜ」

政宗に連れられて茶屋に座る。
お姉さんがかしこまったけど、政宗が楽にしろと言った。


「Hey cat!団子は幾つ食う?」
「みっつ!」
「肥えるぞ」
「みっつ!!」


みっつ食べれると言い張ると、政宗がお姉さんに注文した。

「団子を6本。うち4本は包んでくれ」
「あれ、政宗食べないの?」
「やっぱり3本は食い過ぎだから、城に戻ってから食えよ」

そういうことですか。
俺は一本だけ貰って政宗の上で食べた。



「今帰ったぞー」
「ただいまー」

政宗の背中にしがみ付きながら、小十郎様を探す。
小十郎様は畑にいってらしたそうです。


「政宗ーお団子ー」
「お前今食ったら夕餉食えなくなるぞ」
「むー」

着替えた政宗にお団子強請ったら、残念ながら断られました。
紙に包まれた団子の4本の内2本は政宗が食べました。
俺の2本の内1本は小十郎様に上げました。

俺、偉いよね!


fin.0827

* * *

20000hit孝様リクの「お相手は政宗の「城下でデート」」です。
城下って何があるんだろうとこれほどまでにトリップしたいと思ったことはなかった。

こんな感じのデートになってしまいましたがよろしかったでしょうか^^
リクエストありがとうございました



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