「だめ、」
「どうして」

アーデルハイトの隣に特定の人が居ない。


物心ついたころには一族皆が迫害を受けていて傷付き続けた心身を髑髏はひどく美しいと思った。



古里を始め数人の子供で生き抜いて、彼女は姉のように母のように育った。
生きる目的は迫害の原因となったボンゴレの倒滅。


たったそれだけの事がこの女をここまで突き動かしてきたというのに真実は違った。




気高く凛としていた女が崩れ落ちた瞬間を見るなり、髑髏の口角は上がり、歯が見えるほど笑った。そして慈愛に満ちた眼差しを向けながらアーデルハイトを抱きしめた。


「アーデル可愛い。大好き」
「いくら貴女が私を愛そうが求めようが、私は貴女が大嫌いよ。」
「アーデルハイトお姉さんは優しくないのね」
「貴女にはね」


アーデルハイトの斜め後ろにはシモンファミリーのみんなが居る。


彼女の隣を歩ける人はシモンの中に居ない。















2011.07.08
妻は半歩うしろ
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