「あなたは結局、解放されたんですかね」

花の香りは好きだが、そのなかで人が死んでいるのはどうも好かない。
相手に丸腰で行くからこんなことに成るんですよ。




最低限の潤いしか留めていない目に映るのは棺で、中には冷たい体が有る。
花の香りは嫌いじゃないけれども人が横たわっているのが気に喰わない。



「この体を乗っ取る?」
「今はやめときな、」
「あとは骸の好きにすればいいよ」

強い花の香りがする。
人の匂いを隠すような…隠すことならば自分の幻術の方が上手いというのに。
藍の炎が上がるまえに貴方から深紅が飛び散るとは、我々も守護者失格ですね。


それこそ君の超直感とやらはどうしたんですか。甘さが命取りだと初めに言ったでしょう



朽ちた。



紅ちた。



言葉や姿が見え無くても貴方を認識してたつもりなんですがね、

幻術使いは肉体的苦痛に弱いんですよ。
ほら手が寒いです、貴方の手を片方貸しなさい。
どうしてそんな冷たいんです、
いくつになってもも子供体温だったくせに。
ガーベラと鈴蘭どちらがお好みですか。
いえ、手向ける気なんてありませんよクフフフ


「ああ、そうだ骸」
「この会談終わったらさ、」



毎回見え透いた嘘をつく。


「綱吉君」
「ん、どうしたの」


嗚呼、親とはぐれた幼児の気分ですね

「いつ帰ってきますか、迎えに行きますよ」
「大丈夫だよ骸」

はぐれた幼児はなにをしますか

郭公の卵の産み場所をご存知でしょうか

「目も見えないうちから他の卵を地面に落とすんですよ」
「そっか」













ごめんな 俺は郭公にはなれない。










またお会いしましょう綱吉君…会談の後で。



優しすぎる貴方には似合わない花の匂いだ。















箱入りの我がボスへ







箱→棺
新年一発目更新が死ネタ
2011.1.2(Sun)

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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