生きたままタイムオーバー





「どうしてそこまで儚いの」
「運命ですから」

入江は右手中指の翼を象った指輪を憎く思った。目の前の少女の首に掛かっているリボンでそのまま呼吸を止めてやれないだろうか、望めばしてやれる。

「彼を止めれるのは貴方じゃないわ」

ゆるく首を左右に振る少女はユニ。

「でも白蘭さんをこんな風にしてしまったのは僕の責任だよ」
「えぇ、少しはそうね。」

濁りの中からだしてあげるから

「白蘭を救うのは沢田さんです」
「それまで僕は、」

どこまで監視の目が深いのか、わからない。それまで僕は僅かな可能性を信じて時を待つしかないらしい。
下準備に蜂蜜とマフィンと虫の体。

「貴方は、」

目のルビーより胸のオレンジが輝くだなんて何と理不尽なことか。

白いボスが手に入れられないのも当たり前じゃないか。


君がもし死んだら
蜂蜜を君の唇に塗って、マフィンをパフみたいにしてお化粧しようよ。綺麗な色した虫は眼に入れて髪も結ってあげる。








「貴方は私を守ってください」





「救いは僕に求めないんだねユニ」









生きてるうちにこっち見て















もどかしい愛情。

2010.12.23 (Tu) 戻る
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