ユニちゃんは黒スペル、僕は白スペル。その二つは対当に対になっても、けして交わることはなくて、交わってしまったらせっかく分けている意味がないじゃないか。なのに
「ユニちゃん。」
「なんですか、白蘭。」
ユニは意識を取り戻しても、此処に居る。γ君やアルコバレーノリボーンがキミを必死に僕から取り戻そうとしているのを拒んでまで、どうして僕のところに居るの...ユニ。
「逃げなくていいの?」
「どうしてですか?」
前にもこんな質問をして、似たようなことを言われた気がする。
僕はこの子のことをどう見ているんだろうか。この子は僕を見ているのだろうか。ははっ、これじゃあまるで僕がユニに恋しているみたいじゃないか。

「ユニは僕の人形かい?」
「そう思いますか?...大きすぎないですか?」
んー?ははっ!ユニにしては随分と小馬鹿な返答だね。


「ハハハッ!ユニはまだまだ小さな、」「大きすぎませんか?」


言葉を遮って、さっきと同じ事を言った。この人形ももう壊れたのか?ちゃんと目を開いてそれを見た。真珠のような滑らかな肌に優しくて力のあるサファイアの瞳が煌めいていた...炎でも燈すかのように強く、見透かし諭すように僕を見ていた。
「なにが大きすぎるのかな、ユニちゃん?」
アルコバレーノの大空は代々、記憶を引き継ぐらしい。そして不思議な直感力も持っているそうだ。だったらユニは何を観ているの。僕がお前を利用して、全パラレルワールドの頂点に立つ未来でも見えるのかい?ボンゴレと僕が闘って僕が敗北する夢でも見えるのかい?
「私の心に、貴方は堪えられますか?白蘭」
一体なにを言い出すかとおもいきや、本当になにを言ってるんだこの人形は。
「どういうことだい?」
僕に自分の思想でも押し付ける気?まあ変わらないだろうけどね。僕は僕の欲望に素直に生きようとしてるんだよ、干渉されてたまるか。
「白蘭、貴方は人を愛せますか?」
「『私の心』ってそういうこと?」
驚きよりも呆れが沸き上がってきた。綺麗な可愛い顔した人形が愛を語ってくるとはね。ふざけたまねしないでよ。ユニ、お前は僕の人形なんだよ。ただのおもちゃでしかないんだよ。僕の所持品のくせに語ったりなんて......。
「白蘭、貴方は魂ある私が欲しいですか?」
愛してるとでも言ってほしいのか?
「もちろんだよ欲しいもなにも、君は僕のものなんだからね。新世界の神に捧げられるアイテムでしょ。」
「そうですね。」
納得したようにユニは目を閉じた。ユニが瞳を閉じても全身から湧きだすような溢れ返るようなオーラが見える気がした。



「白蘭、」
置いたティーカップから、湯気が立たなくなっていた。

人形が笑った。久々にユニの笑顔を見た気がした。

「…………。」
最後に君が言った言葉が聞き取れなかったのが残念だよ。






――――――――――――



白ユニ、のつもりですよユニ好きですユニ描きすぎだ自分。絵ファイルが凄い束。アニメではスタッフが泣かせる気満々だな…。

お粗末様でございました。
2010.09.16*
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