棒だけになった飴をぷっ、と吐き出して、また新しいビニル包装をちぎって飴を口に含む。いちご味。
カチャ、カポン、ぽこここ・・・――――。
ウチの後方でお茶を煎れる音が鳴っている。ボンゴレデーチモ、十代目ボスにはとても見えない(本人はボスだなんて認めていないみたいだけど)。額に炎を燈したときとの性格の違い......それにさっきの技...。名前を聞いたら"イクスバーナー"という技らしい。
「あのー、....」
ボンゴレデーチモがウチに呼び掛けている。
「あ、あのー...」
ウチは今まであまり人と接して来なかった。唯一親しくなったのは正一くらいだ。
「なに...」
なぜ自分を助けたのか、今外はどうなっているのか。
ウチがようやく反応を返せば連続して質問された。それを指摘したらボンゴレデーチモは す、すみませんごめんなさい、とひたすら謝る。本当に、戦闘のとは似ても似つかないな...。
「さっきのアンタの技、イクスバーナー....あれはまだ未完成な技なんだろ?」
「え、は、はい...!そうです。」
おどおどしているのは捕らえられた恐怖からなのか...否、仲間を心配しているのかもしれない。自分がやられてしまうかもしれない現状だというのに、なぜ...。
この人間味溢れるボンゴレボスも、見せつけられた、キングモスカを上回る破壊力も――――
だから、
興味を持ったのだ。
正一たちを裏切ることになっても――ボンゴレデーチモを殺さずに匿った時点で裏切ったようなものだろう――完成したイクスバーナーを見たい。
自分が完成させた技を、見てみたい。沸き上がったウチの熱情は、好奇心は、今までのどんな発明よりもウチを興奮させる。
「見た感じ、左右のバランスが取れてなくて、フルパワーで撃ててない様子だった。」
敵であるウチの言葉に動揺を表すボンゴレ十代目。
「ウチが乗ってたのは最初に壊されたスペアだ。あのキングモスカに乗ってたらウチまで熔かされるところだった。」
そこまで言うとボンゴレ十代目は顔を真っ青にした。まったく、忙しく変わる顔色だな...。
「今のモスカは無人だから、誰も傷つかないって、だって、それなのに...っ!!?」
彼は、何故かさっきよりも顔色を悪くして呟いた。
「敵なんだから倒すのは当たり前だろ?」
ウチだってモスカに乗って、何人も敵を抹消してきた。
なのに、あろうことか、ボンゴレのボスが戦いを嫌うなど可笑しい.......。
可笑しいけれど、面白い。
「うん、ますます気に入った。」
だから完成させよう、イクスバーナーを――――、ウチの魂込めてやる――!!!!
――――――――――――――――――――
おお、完結とは言い難いものになった。 アニメでの台詞を参考に書こうと思いついたら、最初に書いてたのを削るハメになって、そっからぐだぐだに。
ハハン、とにかくボンゴレ全然喋ってねぇww表現力の低さ?知ってる知ってる。
興味を持って、ハァァアア!ってテンション上がってるスパナをやりたかった。
お粗末様でございました。
2010/07/01*