02 蜜、啜る


 そして、土曜当日。
 規則正しい生活を心がけている義勇の朝は早い。起床は六時半。今日も同じように起きたが、ベッドからは離れられないでいた。
 今日、宇髄が家にやって来る。あの、告白の言葉を覚えている。忘れようもない、熱の篭ったあの告白。
「……義勇、好きだっ……!」
 思い出すだけで身体が熱くなる。それに、付き合いたいとも言っていた。あの告白は、どう受け止めるべきなのだろう。告白されてからずっと、実は義勇は悩み続けていたのだ。
 宇髄が好きなのか。少なくとも、きらいではない。どころか、好意を抱いている。だが、それが恋愛感情での好意、所謂、好きなのかが分からないのだ。
 けれど、あの手は離したくない。どうしても繋ぎ止めておきたい。それだけは強く心に根付いていて、しかしそうなると宇髄の告白を受け入れなければハイさようならだ。離れて行ってしまうだろう。
 いつもその板挟みで、そして今週末は宇髄が泊まりに来る。
 返事を急がれているようなものだ。
 ごろりと寝返りを打った義勇は、勢いよく起き上がり一日を始めることにした。今ここでごちゃごちゃといろいろなことを思っても仕方がない。とにかく、楽しむということを目標に過ごしてみようと思う。宇髄は気が利いて楽しい人だし、時に自由人だが義勇にはとことん優しい。その優しさに付け込むわけではないが、その優しさに甘えて過ごしてみよう。
 まずは、昨日も念入りにしておいたが掃除だ。ズボラと思われたくない。とにかく、顔を洗おう。
 そうやって、義勇の長い一日がスタートしようとしていた。

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