暑い。兵舎は風通しがよくないこともあって何もしなくても汗がじっとり染み出てくる。暑い。暑いのは何も季節のせいだけじゃない。私に跨がるこの男のせいだ。このクソ暑いのに何をムラムラしているんだ。
「兵長」
咎めるように言ったが兵長の手は汗ばんだ私の髪の中に伸びてきた。唇に乱暴に噛みつかれる。暑い。
「文句あんのか」
「このクソ暑いのに勘弁してください」
うんざりするほど汗ばむ体を弄る兵長のじっとりとした手。私の言い分が聞き入れてもらえる訳もなかった。
「チッ、ムードもへったくれもねェ野郎だな」
「それは兵長の方ですって、」
「うるせェ黙って抱かれてろ」
このエロ兵長。その言葉も飲み込まれ、暑さと快感に溺れてしまいそうだ。溶けてしまう。