いつも下ろしていた髪だけど、そろそろ鬱陶しくなってきたので縛ることにした。無難におさげでいいやなんて考えていたけど、寝癖を直すより三つ編みにしちゃった方が断然楽なことに気付いてとりあえず三つ編みにして登校した。
「金城おはよ」
隣の席の金城に声をかける。さっぱりとした坊主頭を見て、女子も坊主にしたら楽だろうなあなんて変なことを考えた。
「おはよ、う」
いつもスマートな挨拶がどこかぎこちない。変に思って金城を見ると、驚いたような緊張したような、照れてるような、そんな見たことがないような顔をしていて度肝を抜かれた。
「ど、どしたの」
口元に手をやって目を逸らす金城。なにがあったっていうんだ。
「その、髪…」
「はい?」
「よく似合っている、な」
そのときは適当にお礼を言ったけれど、後から金城はどうも三つ編みが好きらしいことを聞いて彼をまともに見れなくなってしまった。