東堂はとにかくスキンシップが激しい。何かにつけてべたべたするし、ぎゅうぎゅう抱きしめてくる。べつに嫌ってわけじゃないけど、力が強いのだ、とにかく。
「は、離して」
「何故だ?」
何故やめなければならん!と言いたいのは見え見えだ。今だって馬鹿力でぎゅうぎゅう私を抱きしめ、頬にキスしてうなじにキスして、匂いを嗅いで幸せそうにしている。
「いたいよ」
つぶれる。冗談抜きで。すまんすまんと言いながら、やめる気配はちっともない。
こうなったら私も、と東堂の背中に手を回してみた。するとどうだろう、東堂は驚いたように力を緩めた。あ、これは使えるかも。
「なまえ…!」
なんて思ったのもつかの間、さっきの倍くらいの力を込められる。どこから出てんだ。もうどうしようもないことを悟って、しばらく充電に付き合ってやることにする。奴はやけにいい匂いもすることだし。