「食べちゃいたいね」
新開が不適な笑みを浮かべて言った。食べちゃいたいね、ってあんたもう食ってんじゃん。パワーバー。見た目からして全く美味しそうじゃないそれ、実際ゲロマズなんだけど新開の好物だそうだ。とんでもない馬鹿舌。
「まだ食べるの」
「君のことに決まってるじゃないか」
食べかけのパワーバーを口から離して、ぐいっと顔を寄せてきた。キスしていいかな?じゃねえよ。
「やだ」
「つれないな」
「そのベットベトの口なんとかして」
仕方ない、と新開はべろんと厚い唇を舐めた。