腕に痺れを感じて目が覚めた。自分の腕の中で眠るのは、小さく寝息を立てるなまえ。なまえに添い寝してやるのはこれが初めてではなかったが、やけに暖かい布団の温度には未だ慣れなかった。痺れの残る手でなまえの頭を撫でてやる。安心しきっているのか目を覚ます様子もなく、なまえはきゅっと御堂筋のシャツを握るだけだった。その姿を可愛いと思ってしまう。(ボクの柄やないわ) その思いは明け方の静けさに消えてゆく。時計を見ると午前五時を回ったところだった。もう少し眠ろう、なまえの寝息を子守歌にまた目を閉じた。