真田くんは私にメールはあんまりくれなかった。一度そのことを聞いたら、メールは性に合わんのだだとかなんとか言っていたけれど、電話をもらったこともない。なんだよほんとにすきなのかよ!告白してきたのは真田くんの方じゃないか!とぷんすかぷんすかしている私を見てお兄ちゃんは大笑いするのだ。いけすかねえ。男はぜーんぜん女心なんざわかっちゃいないのだ!半ばやけになってお母さんの買ってきてくれたみたらし団子を頬張っているとお兄ちゃんがにやにや笑ってバイブをブーブー鳴らしている私の携帯を差しだしてきた。ディスプレイに表示されていたのは私の鬱憤の原因真田くんその人の名前で私はお団子を危うくのどに詰まらせるところだった。急いで部屋まで行ってお団子を飲み込んでから電話に出た。
「あっ真田くんっ?ごめんね待たせて…!真田くんも電話するんだね嬉しいよ」
「みょうじか、その…明日なんだが」
 部活の間待っていてくれないか。真田くんはいつもよりちょっと上ずった声で確かにそう言った。なんだ、なんだ真田くん、私は嬉しいぞ!でも全然電話もメールも全然してくれなかった仕返しに、理由を真田くんの口から吐かせることにした。大体わかるけどね!でもこれで一緒に帰る為じゃなかったらどうしようかと思っていたけど、真田くんはちゃんと一緒に帰りたいんだと言ってくれたので結果オーライだ。その夜といい次の日といい、私は終始にやけていたので気持ち悪いと言われまくったことは言うまでもない。