私と不二は仲の良いカップルだ。普通に。未だに名字で呼び合う辺り少しよそよそしい気もするけど、それが私たち。ずっと付き合っていて、お互いのこと、大体知ってる。だから、不二がこういう顔をするときは、なにか大事な話をするとわかるのだ。「あのね」不二は神妙な面持ちだった。「なあに」少し嬉しそうでもある。「結婚しよう」「うん」不二は指輪をくれた。嬉しかった。「だから」「うん」不二は私に指輪を嵌める。本当に結婚式みたいだ。「その前に一緒に死のうね」「うん」夢みたいだ。私たちはゼクシィを買いに行かずに、重たいパソコンで検索をかけた。「君はどういうのがいいの?」「一緒がいい」「そうだね」二人で一生懸命考えたから楽しみだね。不二は笑う。夢みたいだ。