新開の初めての彼女はなんと私であると判明したわけだが、意外すぎた。私ですら前に彼氏いたのに。そんな新開にデートに誘われた。新開は自転車部が忙しくてなかなか休みが取れないから、なんだかんだで初デートだ。
「じゃあ明日、十時に駅前な」
昨日の別れ際新開は少しそわそわした様子で言った。行き先は映画館、なかなか無難である。
私は少しはやめに待ち合わせ場所に行った。ちょっとどきどきする。化粧も濃くないし、服もちゃんとかわいい。と思う。にしても新開が来ない。待ち合わせの時間を十分過ぎていた。
「悪い！」
やっと来た、新開は向こうからブンブン手を振りながら走ってきた。ごめん、楽しみすぎて眠れなくって、と息を切らしながら言う新開を見て私は思わず吹き出してしまった。だって、
「ぶふっ、新開、シャツ裏返し…！」

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