「やーいやーいデコ八やーい」
東堂がものすごい顔で睨んできた。事実じゃん。東堂がでこっぱちなのは事実じゃん!睨むなよな。
「その呼び方はやめろと言っているだろう」
「えー、いいじゃん。デコ八。かっこいいよ」
おもいきり頬をつねられた。痛い痛い。やめろこの野郎女子に向かってなんてことしやがる。そんな怖い顔してたら女子にモテないぞー。え、これでもモテるだ?ふざけんなこのナルシストめ。
「あ、にきび」
東堂のおでこの端の方でちょこんと赤くなっているそれを見つけると、東堂はものすごい勢いで広いデコを隠した。
「な、何だと…見るな!」
東堂でもにきびできるのか。つるつるすべすべたまご肌のくせに。ていうかなんだその反応。女子か。女子かよ!
「なに恥ずかしがってんの。そんくらいすぐ治るって」
「この東堂尽八ににきびなど…ありえない、許せない」
「だいじょうぶだって、ちょっとにきびできたくらいじゃデコ八のかっこよさは変わんないって」
ばっとこちらを見る東堂。ほんのり顔を赤く染めている。なんだこいつ。冗談だっつの。
「みょうじ…おまえ…」
「かっこいいのはデコだから。おまえじゃねえから。デコ八のデコだから」
「ふざけんな!」

▼おでこを散々いじられる東堂