つう、とわたしの太股を這うのは御堂筋の大きな手だ。手つきがいやらしい。セクハラかこれは。いや、もうセクハラだなこれは。にたにた笑ってるし。
「あん」
わざとらしくそんな声を上げれば機嫌がとれるのだからかわいい方なのだろうか。ていうか嗅ぐな。パンツのにおいを嗅ぐんじゃない。気持ち悪いなこの。
「ちょっと」
やめなさいよと頭をぐりぐりやったけどまあ効果はゼロだ。わかってる。わかってたさ。
「堪忍なあ、思春期やから」
「ばかじゃないの」
意地悪く笑う御堂筋を見たらなんだかもうどうでもよくなってきた。御堂筋が気持ち悪いのは今に始まったことじゃない。諦めよう。下手じゃないだけ許そうじゃないか。

▼気持ち悪い御堂筋