正直、東堂の半ばストーカーのような行動はどうにかならないものかと思うのだ。東堂は私の行くところ全てについていきたがる。学校の行き帰り、移動教室に始まり塾にお店に家族旅行まで。挙げ句の果てにはトイレにもついてこようとする。
「東堂、私ちょっとトイレ行ってくるから」
「ついていくぞ」
この通りなのだ。そんなに時間がかかるわけじゃないんだから、ここで待っていればいいのに。ついてこなくてもいいと言っても頑なについてくると言い張って聞かないので私はもう諦めてしまったのだ。一緒に入るなんてバカなことを言うわけでもないし、外で大人しく待っているのでもう口出しするのはやめた。
「東堂ってさ」
「なんだ?」
「本当ばかだよね」
「馬鹿とは聞き捨てならんな馬鹿とは」
「まあ、そんな東堂に絆されちゃってるあたしもあたしだよね」
「聞いているのか」
何が悲しくて男と連れションしなくてはならないのかはわからないが、東堂のこんなところも許してしまえるのは惚れた弱みという奴なのだろう。

▼アホな東堂さん