コイツは本ッ当にどうしようもないアホでバカでろくでなしだけど、野球をしている姿だけは格好良くて好きだった。当の本人は野球なんてやってられっかよといった感じでミュージシャンになって売れてやるだのとバカなことをほざいているが。
「売れたら絶対なまえちゃんにスッゲェものプレゼントしてやっからな」
「いいよそんなの。あたしは野球してるあんたの方が好きだし」
コイツは単純バカだからあたしが野球をしてるあんたが好きよと言う限り野球をやめない。全く練習しようとしないコイツを見かねて練習した方が格好良いよと唆してみたりもしたけど、練習せずにできる方が格好良いという奴のポリシーだけは変えられなかった。
コイツにもスランプみたいな時期があって、コイツのチームが初めて負けたときは塞ぎ込んで荒れに荒れて野球を本気でやめると聞かなかったときも、あたしは野球してるあんたが一番好きよと言い続けた。そのお陰でコイツは野球をやめずに、遂に実力を認められて希望ヶ峰学園からスカウトが来た。
「オレ、なまえちゃんのことムッチャ好きだから。なまえちゃんの為に頑張るよ」
「うん。野球やめんなよ」
あたしは野球してるあんたが一番好きだかんね。奴はニカッと笑った。単純バカの脳足りんの笑顔はどうしてこうも明るいのだろう。レオンは明日、希望ヶ峰に行く。

▼ 荒れてたときもそばにいてくれた夢主が大好きな桑田