事後特有の匂いと雰囲気。薄暗い部屋全体が甘ったるくて起きあがるのがひどく億劫だ。このままずっとなにもしたくない。いや、なにもしたくないというよりは、
「慎也と一生セックスだけしてたい」
私の言葉に慎也は飲み干したミネラルウォーターのボトルを投げ捨てて笑った。
「正気か?」
「そういうこと言う?」
「……いや、」
悪くない。不敵に笑った慎也が唇に噛みついたのに気をよくした私は申し訳程度に来ていたシャツを脱ぎ捨てた。都合のいいことに今日は二人とも非番だ。何度目かの快楽に溺れても文句は言われまい。