「好きだ」
「やめて」
「好きだなまえ」
「やめて」
「大ッッッ好きだ!!!」
「やっ、やめてって言ってるでしょ!!」
好きだと繰り返す度に茹で蛸のように赤くなるなまえ。なまえは異常に照れ屋でちょっとのことで赤くなる。かわいい。非常にかわいい。
「本当に好きなんだ、口に出して何が悪い」
「そういうの苦手なの…」
「俺は得意だ!」
「と、東堂!」
名前で呼ぶのは恥ずかしいからと未だに苗字でしか呼んでくれない。自分から手を繋いだりなんて以ての外。少し寂しいが俺はそんななまえが好きで好きでたまらないのだ。それに俺は照れるなまえも大好きだ。
「愛している」
ぎゅうと抱きしめ耳元で囁く。こうしたときなまえが一番照れるのを知っている。俺はそのときのなまえが最ッ高に好きだ!
「わ、わ、わたし……も……」
口を金魚のようにぱくぱくさせる名前。さあ、その口を塞いでしまおう。


▼照れ屋なヒロインが好きすぎる東堂