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初めて入ったレイトンの研究室は物であふれていた。
どの棚や机も物でいっぱいだ。
「散らかっていて悪いけど…ソファーにでも座っていてくれるかい?」
言われた通りソファーに座る。
年季が入っているのか少しギシリと音がなり、柔らかくはない。
近くのテーブルに置いてあった資料に興味を引かれ、手を伸ばす。
アスラント文明のものではなかったが、とある遺跡の研究レポートのようだ。
「ああ、それは私が書いたものです。まだ、きちんとまとめきれてないのですが。」
紅茶を淹れてきたレイトンが私の持っている資料を見て照れくさそうに笑う。
「いえいえ、ご謙遜を。少し読んだだけですが、素晴らしいのがわかります。」
純粋にレポートのことを誉めたつもりだった。
なのに
「ありがとうございます。」
嬉しそうににっこりと笑う。
その顔から目が離せなくなってしまった。
「…博士?」
名前を呼ばれて我に返る。
不思議そうな顔をしたレイトンがそこにいた。
「ああ、いやなんでもありません。」
なんでこんなに心臓がうるさいのだ。
顔が熱くてレイトンの顔が見れない。
いったい私はどうしたというのだろうか。
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