偶然か、必然か



偶然か、必然か
--------------------------------------------------------------------------------



何だか今日は外に出かけて、ケーキが食べたい気分だ。
そう思いフラフラと外へと出かけて、早1時間。


「(あ、あのお店のケーキ…凄く美味しそう…。)」


隣町を歩いていたら、とても美味しそうなケーキを売っているお店を発見。
だけど内装が明らか女らしい感じで、男は非常に入りにくい。


「(ふむ…、困ったな。)」


流石の俺でも、やはり一人で入るのは気が引けるわけで。
誰か連れて来るべきだったかな、とか思ったが、皆忙しいし無理だっただろうと思った。


「(腹をくくるしかないか…ん?)」


そうやって悩んでいると、一人の青年が例のお店に近付くのが見えた。
何だか困ってるように見えた。
もしかして…


「…あの。」
「うわっ!」
「…すいません、突然。」
「あ、いえ、こちらこそ。どうかなさったんですか?」
「…この店、ケーキ、美味しそう、ですよね。」
「そうですね。俺実は中に入ろうか迷ってたところなんですよ。ちょっと入りにくて…。」


やっぱりそうだ。
彼もどうやら俺と同じらしい。


「あの、よかったら、一緒に、入りません、か?二人なら、入り易い、かと。」
「え、いいんですか!」
「はい、俺も、入りたかった、ので。」
「そうなんですか!じゃあ、入りましょう。」
「はい。」


そういって中に二人で入った。
好奇の視線が集まる。
でもまあ二人だからあまり気にならない。


「二名様ですか?」
「はい。」
「ではこちらへどうぞ。」


席についてもなお続く視線。
軽く周りを見ると、顔をほんのりと赤く染める女性が多数。
次は青年を見る。
彼は整った顔をしていた。
鼻筋はすっとしていて、優しげな目元。
かなりの美形と言える。
これは、注目を集めるのも無理はない、か。


「…あの、どうかしました?」
「え?」
「いや、僕の顔をじーっと見てたので、何かついているのかなって。」
「ああ…すいません。ただ、美形だな、と、思いまして…。」
「え!い、いや、貴方の方が美形ですよ!」
「そう、ですか?そんな事は、ないと…。」
「…ま、まあそんなことより!貴方の名前、教えて下さいませんか?」
「ああ、そういえば、言ってません、でした、ね。俺は、レンヤ・シューカイドー、です。」
「レンヤ君?」
「はい、貴方は?」
「僕はクイエートと言います。」
「クイエート君、ですね。」
「レンヤ君は何を頼むんですか?」
「俺は、ベイクドチーズケーキ、と、モンブラン、を。」
「へえ、じゃあ俺は無難に苺ショートとガトーショコラにしようかな。」


すいませーん、と彼が言うと、ウエイトレスさんが出てくる。


「苺ショートとガトーショコラとベイクドチーズケーキとモンブラン、お願いします。」
「は、はい!畏まりました!」


彼がニコッと微笑むと、ウエイトレスさんはほんのり顔を赤く染め、走って戻っていった。


「ねぇ、レンヤ君は何でこのお店に?」
「いや、何だか、今日は、外で、ケーキが、食べたいと、思いまして、ぶらぶら、していたら、ここに、ついて、美味しそう、だったから…。」
「そうなんですか?…実は僕もそんな感じで、何だか今日は他人が作った物が食べたくなって、外に出て歩いてたらここがあって。」
「…似た者、同士、ですね。」
「ふふ、そうですね。」


俺達は笑い合った。
偶然出会った俺達。
もしかしたら必然だったのかもしれない。
ケーキが来た後も、色んなことを話し、お互い甘い物が好きで料理が趣味だということや、タイニーロンドンに住んでいることなど、共通点が多いため、すぐに仲良くなった。


その日から、俺達は友達となった。




偶然か、必然か
(まあ、出会えて友達になれたから、どちらだったかなんてどうでもいいのだけど。)



―――――――――――

はい!
レンヤ君とクイエート君の出会い編でした!
やっぱり二人の絡みを書くなら、まず出会いからかなぁと思いまして
俺のイメージでは、こんな感じで仲良くなったんじゃないかと思います

loto様、相互ありがとうございます!
こんなものでよければ、どうぞ貰ってやってください!

loto様のみ持ち帰りOK!


ありがとうございます!よろしくおねがいします!



[ 17/17 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -