trantacinque
長い階段を必死に走る。
レミさんが見つけたその螺旋階段は非常用のものらしく、地上に通じているみたいだった。
レイトン先生が遅れてきた時、先生は少しあちこち調べたらしい。
その中にこの洞窟の地図があり、この階段のことも知ったと言っていた。
ほんとに狭い階段で、この階段もいつ崩れるかわからない。
後ろからガラガラと洞窟が崩れている音がする。
怖くて後ろなんか確かめられないけれど。
「ほら、助手2号君!急ぐわよ!」
人を一人抱えているというのに、レミさんは疲れている様子はない。
本当にすごいと思う。
レミさんは僕も抱えようとしてくれたけど、僕までお荷物になるわけにはいかない。
さすがに僕まで抱えて走れるとは思わないし。
洞窟の崩れが酷くなってきた。
頭に岩のかけらが落ちてきて痛いけど、そんなの気にしている暇はない。
早く逃げなきゃ。
「レイトン教授!危ない!」
後ろから聞こえたクイエートさんの叫び声に思わず振り返る。
見えたのは、突き飛ばされたレイトン先生とそのすぐ後ろに落ちてきた大きな岩。
…そして、その下から突き出た白い右手、だった。
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