trantaquattro

「それを破壊するのは、デリックの遺言でもある。自分の死後5年、君がまだこの島に残り、その機械にしがみついているのなら壊してほしい、と。」

淡々とクラウンは言う。
だけど、その声はどこか物悲しかった。

「嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ!!私は絶対に許可しない!」

両手を広げ、機械の前に立ちふさがる。
その目には涙が滲んでいた。

「お前の許可は必要ない。取るつもりもないな。」

そう言ってクラウンは銃を機械に向けて打つ。
放たれた銃弾は機械を容赦なく壊していった。

「くそぉ!」

カルヴァートさんは壊れていく機械にやけになったのか、その機械にあるボタンを一つ押した。
すると、洞窟自体が揺れ出して、砂埃が落ちてくる。

「はははは、これは洞窟の爆破ボタンだ!みんな一緒に死んでしまえ!」

そう言って狂ったように笑い続けるカルヴァートさんをレミさんは手刀で気絶させた。
そうでないと、彼はここから出ようとはしなかっただろう。

「あれ?」

辺りを見ると、デスコールと怪盗クラウンの姿はなかった。
もうすでに逃げたのだろうか?

「クイエート!」

奥の方に寝かされていたクイエートさんのもとにレイトン先生が駆け寄る。

「…う…教授?…僕はいったい?」

肩を揺さぶるとクイエートさんは目を覚ました。
ただ眠らされていただけみたいで安心する。

「話は後だ。とりあえず逃げるぞ。」

岩が崩れだして、今にも天井が落ちてきそうな様子にクイエートさんもすぐに状況を理解したようだった。
カルヴァートさんを抱えたレミさんを先頭に僕、レイトン先生、クイエートさんと狭い道を一列になって地上へと逃げる。
それがあんな悲劇を起こすなんて、その時の僕は予想もしていなかったんだ。

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