due

(ルーク目線)


暖かな日差しが降り注ぐ午後。
僕は敬愛するレイトン先生の研究室に来ていた。

「先生!サシャバロンパークに大道芸の人がいるそうです!」

興奮した勢いで先生に言う僕に先生は笑って紅茶を入れてくれた。

「あの公園にはたまに大道芸をやる人がいるね。7000点を超える人はなかなかいないけど。」

僕も大道芸に挑戦してみたことが難しい。
7000点となるとなかなか出せる人はいないのだ。
残念そうに言う先生にこのニュースを伝えられるのが嬉しい。

「実は今度の人なんですけど、7000点近くを何回も出してるみたいで、近々7000点を超えるんじゃないかって話です!」

この話を聞いた時に早く先生に伝えなきゃと思ったんだ。
前はよく先生と大道芸を見に行って謎を出してもらったりしてたのに、最近はなくて寂しかったから。
何より先生の嬉しそうな顔が見たい。

「それはすごいね。では、ルーク。見に行ってみるかい?」

「はい!先生!」



サシャバロンパークに着いた先生と僕は、すぐに大道芸をやっている人を見つけることが出来た。何故ならその人の周りには人だかりができていたから。
その人だかりの中に入ると、ジャグリングをしていた。ピエロのような格好をした人が次々に高得点の技を決めていく。
ちょうど僕達が来た時に7000点を超えたみたいで、歓声がすごかった。

「先生!すごいですね!……先生?」

話しかけたのに先生から何も反応が返って来なかった。
不思議に思い、先生を見上げると驚いた顔で大道芸人を見つめている先生がいた。

知っている人なのかな?

疑問には思ったけど、口には出さないで、ジャグリングを見ることにした。


すぐにジャグリングは終わりを向かえる。
拍手喝采の中、大道芸人さんがこちらに向かってきた。

「レイトン教授!見に来て下さってたんですね。」

大道芸人さんは先生を知っているようだった。
先生は有名人だから知られていても不思議ではないんだけど。

「君は……この間の。ジャグリング上手だったよ。」

この間ということは何かあったのかな?
けど、先生は名前も知らないみたいだ。

「クイエートって言います。ありがとうございます。まだ、失敗ばかりで褒められた腕ではないのですが。」

謙遜して言うクイエートさん。
そんなことなかったのに。

「そんなことないです!すっごく上手でした!」

力を込めて言うとクイエートさんは嬉しそうに笑った。
その顔がとても綺麗で見とれてしまう。

「ありがとう。ええと……。」
「レイトン先生の一番弟子のルークです!」

胸を張って言う。
レイトン先生の弟子って言えるのが誇らしい。

「ルークくん。ありがとう。レイトン先生のお弟子さんってことはすごいんだね。」

クイエートさんは心からすごいって言ってくれてるみたいだった。
僕を子供扱いして、弟子って言っても信じない人も多いのに。
クイエートさんはいい人みたいだ。

「あ、そろそろ行かなくちゃ。すみません、お先に失礼します。また見に来て下さいね。」

そう言ってクイエートさんは走りさってしまった。
もうちょっと話したかったのに残念。
だけど、今日は最初から見れなかったから、また先生と見に行く約束をした。


このことをレミさんに話すと、レミさんもクイエートさんのこと知っていたらしい。
何でも鑑定を頼んでもらうようにクイエートさんに頼んだのだとか。


ちなみにあれから先生と僕は、クイエートさんがジャグリングをやる度に見に行くようになったのだった。

END





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