trentadue
後についていくと、少しスペースの空いた空間に出た。
そこには見たこともない大きな機械が鎮座していた。
「これは…………!?」
機械の中心には円柱状の大きな水槽があり、その中には人がいる。
「カルヴァートさん!?」
先生もレミさんも言葉を失っていた。
カツンと靴音が響く。
「違う。彼は君達の言うカルヴァートではない。ユアン・カルヴァート、デリックの唯一だ。」
いつの間にか水槽の横に怪盗クラウンがいる。
確かに水槽の中に居た人を見るとカルヴァートさんに良く似てはいるけれど、違う部分もあった。
「唯一…?」
「親友、友人と言ってしまうには物足りなく、恋人というわけではない。家族ではないがそれ以上に親しく大切なのだとデリックは言っていた。会ってみたいとは思っていたが、こんな邂逅だとは思っても見なかったよ。」
そう言って水槽を見上げるクラウンはどこか懐かしげだった。
「これはもしかして…クローン、とかいうやつかい?」
先生が厳しい目で怪盗クラウンを見る。
クローンとは何のことなんだろう?
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