どうか神様がいるのなら


※dieciと少し関係あり。レイトン教授に頼みに行ってから、出立するまでに合った話


「や、ミズタニくん。呼び出してごめんね。」

お詫びの品だって箱を渡される。
中身はどうやらケーキらしい。
今日はクイエートに公園に呼び出された。
いつもはクイエートから勝手に来るのに珍しい。

「実は明日からちょっと遠くに行くんだ。」

いつもは目を見て話すことが多いクイエートが空を見ながら話す。
いつもとは違っているような、なんだか違和感があった。

「へぇ〜。」

「レイトン教授も一緒に行くから寂しくなるね?」

適当に返事をしたら、気に入らなかったようで、レイトン教授を持ち出してからかうように笑ってくる。
って、レイトン教授も行くの!?

「ええ!?ズルい!レイトン教授も行くなんて!」

レイトン教授と旅行、俺だってしたいのに!
そう言ったらクイエートの眉間に皺がよる。
いや、でもズルい!

「ちょっと危険なとこだからね。ついてきてもらうんだ。」

再びクイエートが空を見ながら言う。
声はいつも通りだけど、また違和感があった。

「危険って……。」

いったいどこに行く気なんだ?
聞きたくてもクイエートの言葉に遮られてしまった。

「大丈夫!レイトン教授達は何があっても無事に帰すから、ね。」

ニッコリ笑って言われた言葉。
普通なら安心するものかもしれない。
だけど、俺には違和感が強くなっただけだった。

「じゃあね。ありがとう、ミズタニくん。バイバイ。」

クイエートが見えなくなるまで呆然と見送った。
そこでようやく気がついてしまった。
クイエートの言葉、レイトン教授達は無事に帰すからって、クイエートは無事に帰ってくるつもりはあるんだろうか?
そして、いつもは言わないバイバイ。
もしかして、そう考えた途端に悪寒が走る。
嫌な予感がしてクイエートを追いかけたけど、もうクイエートの姿はなかった。


どうか神様がいるのなら


(彼を無事に帰してください)

END



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