trentuno

部屋に入ってすぐに目についたのはいくつもの円柱状の水槽。
その中をよく見てみると中にあるのは『胎児』だった。
他の水槽の中にも様々な成長度合いの『胎児』がいた。
空に見える水槽の中にも見えないだけでいるのかもしれない。

「な、何ですか、これは!?」

先生やレミさんも驚きを隠せないようだった。
先生は厳しい顔をして水槽を見ている。

「それは人工母体だ。」

突然響いたテノールに驚く。
声のしたほうを見ると、デスコールが腕を組み立っていた。

「デスコール!」

不敵に笑うデスコールにイラつきが抑えられない。
今度はいったい何を企んでいるのだろう?

「この『胎児』達は『人間』か、否か。レイトン、お前はどう思う?」

水槽に手をつき中の『胎児』を見ながらデスコールは言う。
水槽に入っているのは、まだ形を為していないものもあるとはいえ、人間の『胎児』の筈だ。
なのに、デスコールは何を言っているのだろう?

「早く来い。面白いものが見れるぞ。」

答えを求めていたわけではないのか、そう言うとデスコールは踵をかえして歩き始めた。






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