ventisette
そんなはずは、と目を疑わずにはいられなかった。
彼がまさかデスコールを助けるなんて。
「余計な真似を…。」
デスコールにとっても怪盗クラウンが出てきたのは予想外のことだったようだ。
「危ない場面に見えたからな。」
受け止めたレミさんの足を払いながら、冷ややかに怪盗クラウンが言う。
「なんとでもなったさ。」
「そうか。」
デスコールの言葉にも振り向かず、怪盗クラウンはレミさんを見る。
レミさんが少しの隙でも見せたら飛びかかろうと考えているのがわかっているかのように。
「せいっ!」
隙を見せない怪盗クラウンに焦れたレミさんが攻撃を仕掛ける。
しかし、繰り出された拳は簡単に止められてしまった。
すぐに反対側の拳で反撃を狙うがそちらの腕も受け止められ、身動きが取れなくなってしまう。
悔しげに怪盗クラウンを睨むレミさんが身を捩ると、意外なことに手はすぐに外れた。
怪盗クラウンはレミさんに興味を無くしたようにカルヴァートさんに向き直る。
「はじめまして、ノア・カルヴァート。デリックの研究成果。私はそれを壊しにきた。」
声に色を含まず怪盗クラウンは言い放った。
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