ventisei

先生、すみません。
いつもなら先生、すごいです!と言ってるところですが、今回は違うと思います。
その証拠にデスコールどころかカルヴァートさんまで唖然とした表情をしている。
レミさんだけがさすがと目を輝かせていた。

「紅茶談義など、どうでもい…」
「やぁ!」

呆れたようなデスコールのセリフを遮るようにレミさんが攻撃を繰り出す。

「人の話は最後まで聞くものだろう。」

予想もしてなかったはずのレミさんの攻撃を、デスコールはいとも簡単に避けてしまう。

「貴方の話なんて聞く価値ありません!」

高く上がる蹴りを繰り出しながらレミさんが言う。
攻撃が避けられ悔しいのか、少し苦い顔だ。

「やれやれ、まったくおてんばなお嬢さんだ。」

呆れたようにデスコールが言う。
それにムッとした顔をしながら、攻撃の手は止まらない。

やがて次々に繰り出される攻撃にデスコールの余裕も少しずつなくなってきた。

「くっ…!」

「はぁっ!」

態勢を崩したデスコールに、レミさんの渾身の一撃が迫る。
レミさんの勝ちだと思った。
その瞬間、二人の間に割って入った影があった。
黒いフードつきのコートを着た、レミさんを圧倒する体術の持ち主。
けれど、こんな所に現れるはずもない人。


「怪盗クラウン!?」




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