venti

「起きて。」

体が揺さぶられ、意識が浮上する。
頭が重い。
まるで、何日も寝ていない時のようだった。

「大丈夫?」

僕の顔を覗き込むように心配そうにクイエートさんが見てくる。
ここはどこ、と辺りを見回せば、見覚えのない無機質な部屋。
何もないその部屋にあるのは、僕達の下にある大きくふかふかなマットだけ。
レイトン教授やレミさんは辺りを探っていたようだけど、僕が起きたのに気づくと寄ってきてくれた。

「大丈夫かい?ルーク。」

「大丈夫です!でも、ここは…?」

聞くと、この部屋は先程食事をしたフロアの階下の部屋だという。
また、眠ってしまったのも食事に睡眠薬が含まれていたから。
僕達を眠らせてどうする気だったんだと怖くなる。

「先生、カルヴァートさんは僕達をどうする気なのでしょうか?」

「さぁ、それは分からない。とりあえず、ここから脱出しよう。」

レイトン先生の提案により、僕達は脱出方法を探すことになった。
ドアはある。
けれど、鍵がかかっているし、その鍵はなかった。
天井は高いため、落ちてきたところから、と言うのは難しい。

「教授!見てください!ドアにかかっている絵が謎になってます!」

レミさんが指した絵をよく見てみると確かに謎になっている。
これを解けば、ドアが開くかもしれない。

「先生!僕が解き…。」

「さぁ、開いたから行こうか。」

さすがレイトン先生です…。
あっさりと開いたドアを複雑な気持ちで潜る。
次の部屋も似たような部屋だった。
同じように、謎を解いて進む。
いくつかの部屋を通りすぎると、それまでと違い暖炉やソファーのある部屋になった。

「少し休憩しようか。どこまで続いているか分からない、休める時に休んでおかないとね。」

レイトン先生の提案で少しこの部屋に留まることになった。
水道もあったので、顔を洗う。

「紅茶、入りましたよ。」

クイエートさんが紅茶を淹れてくれる。
鞄から紅茶の葉やクッキーを出してきたのにも、もう慣れました。
温かな紅茶を飲んで一息つく。

「先生、カルヴァートさんは僕達をどうするつもりなのでしょう?」

「さぁ?今は何とも言えない。クイエート、君は何か聞いてないのかい?」

レイトン先生が話をふると、クイエートさんは困ったように眉を寄せた。

「特に…そんな…。ああ、そういえば何か頼みたいことがあるとか…内容までは知らないのですが。」

ブレスレットを弄りながら、クイエートさんが答える。
カルヴァートさんと二人きりになった時に言われたのでしょうか?

「さぁ、そろそろ行こうか。」

レイトン先生に促されて再び進むことになった。


END




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