diciannove


先にホールに戻ってきた僕達が食事を続けていると、クイエートさんが戻ってきた。

「大丈夫ですか?」

席についたクイエートさんに尋ねる。
微笑んだクイエートさんは先程と違い、顔色も良くなっている。

「大丈夫。ありがとう、ルークくん。」

いつもと変わらないクイエートさんの笑顔に安心した。
しばらく食事を続けていたら、眠気が襲ってきた。
つい、うとうととしてしまう。
周りを見ると、レミさんは既に目を閉じていたし、レイトン先生も眠そうに目を瞬かせている。

「先生!」

「ああ、何かおかしいね。」

薄れゆく意識の中、視界の中にうっすらと笑うカルヴァートさんを見た気がした。




「どうして、君は寝ないんだい?」

食事に睡眠薬を仕込んでいた。
教授やその助手は眠り込んでいる。
しかし、彼だけは眠っていない。
彼は最初からあまり食事は取らなかった。
もしや、わかっていたというのか。

「小食なんですよ。」

彗星の衝突を食い止めたという青年に、頼みたいことがあった。
しかし、信用していいものか。

「まぁ、いい。どちらにしろ、結果は同じだ。」

彼らの床の仕掛けを動かし、階下へと落とす。
後は彼らの成り行きを見守るだけだ。

グラスに残る赤い液体を最後の一滴まで飲み干した。



END




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