セピアスイート(左京様から バレンタイン企画)


アキラ+リアン+ココロちゃん

 ブラッド区画でココロが、とある人物の部屋の前を行ったり来たりを繰り返していた。
 部屋の中にその人達がいない訳ではない。所謂渡す覚悟が出来ていないのだ。
頑張って作ったチョコレートは美味しく出来ている。先程味見をしたのでそれに関しては問題ない。
 何故か今一つ、勇気が湧かなかった。
「…でも、何時までも此処にいる訳にはいかないし……。」
 行ったり来たりから、今度はぐるぐると回りだす。何を悩んでいるんだろう。ただチョコレートを渡すだけなのに……。
「……ううーん。」
「…っつー訳で、今日の任務は…ってココロ?」
 シュンっとスライド式の扉が開く。中から出てきたのはこの部屋の主であるリアンと、彼の相棒であるアキラだ。
「あらココロじゃない?」
「なんか用?」
「あっ…あの、えっと二人にこれを…。」
 二人の為に作ったガトーショコラだった。
「美味しそうね。」
「確かにアキラのより美味そ…痛たたたたっ!?」
「悪かったわね、見てくれが悪くて。」
「そうだよ。アキラのお料理は見た目はちょっと悪いけど、味は美味しいんだから。」
 フォローしたつもりだったが、見た目が悪いということを肯定してしまい、アキラはしょんぼりとしてしまった。
「ほらな、やっぱり皆思ってんだよ。」
「見た目が何よ美味しいんだから良いじゃない…。」
「料理は見た目が全てじゃないよ、だからね落ち込まないで?」
 必死にアキラを慰めにかかるが、暫く彼女の前で料理の話はタブーとなってしまった。
 あれだけ悩んでいたガトーショコラは、思いの外好評だった。



バレンタイン企画吉乃様へ捧げます。リクエストはうちよそでアキラとリアンとココロちゃんでほのぼのでした。
リクエスト有難う御座いました!

お持ち帰りはご自由にどうぞ。


―――

左京様宅の企画参加させていただきました!
ほのぼの…だけどココロと一緒に全力でアキラちゃんに謝りたいです…(土下座)
左京様、素敵なうちよそ小咄ありがとうございました!

持ち帰り禁止

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