紫の絆


カナメ+ココロ+サカキ博士+ブラッド+クレイドル
※とんでも設定が出てきます




怖くて、恥ずかしくて、まだどうしていいかわからないけど
でも…――――




〜アナグラ・医務室〜


「ん…?ここ、は……(ハッ)ココロ!?ココロは…っ!(ズキン)」


「やぁ、目が覚めたようだね」


「あれ…?サカキ博士……じゃあここ、アナグラ…?」


「あぁ、そうだよ。シエル君達がここまで運んでくれたんだ。ココロ君も、隣で寝てるよ」


「すー…すー…」


「(ホッ…)そっか…」


「ん…ぅ?(パチッ…)」


「あ、ココロも目が覚めた?」


「あ…!大丈夫お姉ちゃん!?(ガバッ)」


「…ん?え、今…お姉ちゃんって……?」


「……あの時…言ってくれたから…」


「私の家族に、手を出すなぁぁぁぁ!!」


「家族って、言ってくれたから……だから、その想いに少しだけでも応えられたらって思って…それで……あ、の、嫌だったらもう言いません…ごめんなさい…」


「……こんな仕事だからさ、この先私は君を置いて死んでいなくならない、なんて無責任な事は言わない」


「…………」


「でもね…私は槙ココロの家族だって、それは自信をもって言えるよ。誰かが否定しても、何度でも言い返せる。いつまでも、言い続けられる」


―ギュッ


「生きていてくれて、ありがとう。生まれてきてくれて、ありがとう――――」


「っ……ぅ、あ…うあぁぁぁぁ!!わああぁぁぁぁん!!」




――――…


「ひっく…ひっく…」


「…落ち着いた?」


「…(コクリ)」


「ゆっくり、話していこうよ。お互い知らない事とかこれからの事とか…」


「うん…お姉、ちゃん」




「……そろそろ、声をかけてもいいかな?」


「!?」←サカキ博士の存在に全く気付いてなかった


「もー博士、感動の家族との和解を邪魔しないでくださいよー!」


「すまないね、でも彼らももう待ちきれないようだよ」


「彼ら?」


―シュン


「わぁっ!」


「いでっ!」


「きゃあ!」


「きゃっ!」


「「…………」」


「みん、な…!?」


「あれ、コウタ達もいたんだ」




「…………」←毛布にくるまって縮こまってる


「ココローいい加減出てきなよー」


「…駄目ですね、泣く所を聞かれていたのが余程堪えたのでしょうか」


「ほっとけ、サカキ博士の話を聞いてる内に出てくるだろ」


「さて、じゃあ改めて説明するよ。ブラッドアーツも覚えていない、感応種相手だと制御不能に陥ってしまうカナメ君の神機が何故使用できたのか?
実はあの時観測された強力な感応波と先程カナメ君の身体検査を行い照合した結果、彼女からP66偏食因子に酷似した偏食因子が発見された」


「それって、まさか…」


「そう、マルドゥークを倒せたのも二人の怪我が治っていたのもおそらくカナメ君が血の力に目覚めたからだろう。言うなれば[再起]……決して生きる事を最後まで諦めない、カナメ君らしい力だと私は思うよ」


「再、起…」


「ただ一つわからないのが、どうしてカナメ君からそんな偏食因子が見つかったのかだ。何か心当たりはないかい?例えば間違ってP66偏食因子を投与してしまったとか…」


「さらっと怖い事言わないでくださいよ博士!?って言っても、ブラッドに関係あるものは何も…………あ」


「あっ、ごめんなさい!手に血が…」


「うん?あぁこんなのは舐めとけばいいよ(ペロペロ)」



「……もしかして、あの時舐めたココロの血…?」


「ふむ…詳しく調べてみないとわからないが、その血が何かキッカケとなりカナメ君の体内にあった偏食因子と融合し独自に進化していった、という事だろうか
…実はラケル博士が残してた資料には二人が血の繋がった家族だというデータ以外にも、カナメ君がP66偏食因子に適合がある事も書かれていてね。元々、適性があったようなんだ」


「では、カナメさんはブラッドに転属するという事ですか?」


「…!?(ガバッ)」←毛布から出てきた


「確かにブラッドには転属可能だが、それはカナメ君の意志次第だ……どうする?」


「…転属は、しません。ココロに帰る場所があるように、私にもちゃんと……帰る場所があるから…ね、みんな(ニッ)」


「リーダー…」


「フッ…」


「おう!」


「そうかい…だがブラッドと同じ血の力に覚醒したといっても、あくまで酷似した力だからね。だからこれからはカナメ君にもリンドウ君同様、定期的にメディカルチェックを受けてもらうよ」


「えーめんどくさ…」


「駄目ですよリーダー、ちゃ・ん・と・受けてくださいね?(ギリギリギリ)」←カナメの頬を引っ張る


「いひゃいいひゃい!わかっひゃ!わかっひゃから!」


「さて、説明は以上だ。二人共、怪我は治っているとはいえ今日はゆっくり休むといい。みんなも色々話したい事があるかもしれないが、それはまた後日にしようか」






〜数日後・エントランス〜


「おっはようございまーす!あれ、リンドウさん帰ってきてたんですか?」


「お帰りなさい、リンドウさん」


「よぉ、久しぶりだな。アリサ達から聞いたぞ、お前らの事。どうりでカナメが遠征中ずっとそわそわして俺に仕事全部押し付けて急いで帰った訳だ」


「ははははは、やだなぁ少しはやっていきましたよ?(目そらし)」


「嘘つけ、あの後大変だったんだぞ」


「ま、まぁいいじゃないですか。あの時すぐ帰ったおかげでココロを助けられたし和解もできたし、全部丸く収まったって事で!なんならお祝いとお詫びを兼ねて一杯やりましょうよ、私奢りますから!」


「そうだなぁ、俺はそれで構わないが……後ろの奴らはそう簡単にはいかないぞ」


「え?」


―ガシッ


「カナメ、ちょっと来い」


「ココロ、お前もだ」


「!!いいいいや、私遠征の書類書かないと…」←二人の顔を見て瞬時にこの後起きる事を理解


「それなら俺がもうやっといたぞ」


「え、えっと私も任務が…」


「俺が代わりに行ってやるから安心して行ってこい」


「…リ、リンドウさんの薄情者ぉぉぉぉ!!(ズルズルズル)」←ソーマに引きずられながら移動


「ちなみに俺達の次はアリサとシエルだ…逃げるなよ?」


「いーーやーーだーー!!(ズルズルズル)」


「ギ、ギル、何するの…?」


「サカキ博士がこの前言ってた通り話したい事があるだけだ。ま、正座でだけどな」


「……わかった(ガクッ)」←諦めた


「…いやー若いっていいなぁ……(しみじみ)」






「お前は本当に何も変わらないな。あの時も……」


「大体俺らが言った事をちゃんと理解してるのか?いつもいつも……」


「(…ほらね、言ったでしょ?一人で頑張らず周りを頼らないとこんな風に説教が日常化するって……(ヒソヒソ))」


「(うん、そうだね…お姉ちゃん……(ヒソヒソ))」


「…………」


「…………」










家族になろうよ
(…そうか、まだ雑談しながら笑う余裕があるのか)(少し甘かったみたいだな)(!?(ビックー)いやあのその…!)(ごごごごめんなさい…!)



これにて中編は終了です
カナメの血の力がRBのリヴィちゃんと似てますが、あくまでカナメのは血の力に似た力という事で…!生暖かい目で見逃してやってください←
ここまでお読みいただきありがとうございました!

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