少女とその兄
2012/03/21 02:35
激しい罵声。鈍い打撃音。村人たちから激しく非難される兄を遠巻きに眺める少女は、その光景から、自らの運命を悟った。
強く拳を握り締める。やがて村人たちがこちらへと歩み寄ってきた。
荒々しく手足を掴まれるも、少女は抵抗しない。兄の泣き叫ぶ声が聞こえた。
(お兄ちゃんのせいじゃないよ…)
そう言って笑いたかったのに、死の恐怖が勝って涙が零れた。
村人たちに無理やり小舟に乗せられ、海の方へ流された。これから少女は、長すぎる時間を、死を待ちながら海を漂うことになる。
名を呼ぶ兄の声を背中に聞きながら、少女は手を組んだ。
(どうかお兄ちゃんが自分を責めませんように…)
そう祈る少女の願いは、西に沈んだ。
-----------
捏造も甚だしいですね
シュウと妹には、安らかに眠って頂きたい
prev | next