神童と天馬
2012/03/13 12:46


「はい。これ。」

練習を終え、帰り支度をしているときに、茜に封筒を差し出され、天馬は首を傾げる。

「なんですか?これ」

「今日も行くんでしょ?神サマのところ。霧野くんに頼んだら、天馬の方が良いって。」

茜はにぱっと笑った。

「よろしくね。」

「ええっ」

そう言って茜は封筒を天馬に押し付けて、小走りで水鳥たちの居る方へ行ってしまった。
否応なしに受け取らされた天馬は、元々行くつもりではあった神童のいる病院へ、とぼとぼと向かった。




「キャプテン、これ。茜さんから。」

そう言って差し出すと、神童はその場でその封を切った。

「これは…」

中には数枚の写真が入っていた。今日の部活の風景だ。決勝戦に意気込むチームの気迫や、天馬を中心にまとまりつつあるチームの様子が窺える。

「頑張ってるんだな、天馬。」

神童はふっと表情を緩ませた。

「初めておまえがここに来たとき、おまえは無理だと言ったな。でも今のチームはここまでまとまっている。これはおまえの実力だ。自信を持って、チームを引っ張って良いんだぞ。」

その言葉に、天馬は背中を押された気がした。神童の言葉だからこそ、天馬の気持ちを和らげた。

「はい!絶対優勝して、本当のサッカーやりましょう!」

「頼んだぞ、キャプテン。」

「はい!」




___________
40話前くらいに下書きしてたやつ。尻切れというか、ほんと最近台詞メイン…
ちなみに霧野が天馬を推薦したのは、キャプテン同士話すだろうって意味で拓天要素はないのです。




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